読書備忘録ブログ

日々に流されないぞー!読んだ本とかマンガとかを感想とともに備忘録的に記していきます。

クラインの壺(岡嶋二人) PSVRちっくなリアル描写と、「時代がかった」素敵な80年代の若い男女のコミュニケーション

読んだ本をひたすら紹介していく本ブログ。

今回は、はい。言わずもがなの超傑作。「クラインの壺」(岡嶋二人)です。

 

ジャンルとしては、SFになるのかな?ただ作者はミステリで超有名な人(達)なので、ミステリ好きな人も楽しめます。ミステリ的に読んでも面白いです。

(達)と書いたのは、まあご存じの方も多いかと思いますが、岡嶋二人はその名の通り二人の作家の合作だからです。エラリー・クイーンみたいなものです。まあもう解散してしまいましたが。

Xの悲劇 (創元推理文庫)

Xの悲劇 (創元推理文庫)

 

 

話は、是非読んでもらいたいのですが、今話題のPSVRみたいなバーチャルなゲームやってるうちに世界が「終わってしまった」、という話です!(本当です)

 

ニートみたいな若者が、全身を覆うプラグスーツのようなベッドのような中に入り、美少女とかも出てきてうんたらかんたらやってみたいな次世代ゲームのテストプレイヤー、で、気づいたら・・・みたいな。

PSVRとの違いは、このゲーム機、全身で、しかも五感も再現してるってとこでしょうか。

PlayStation VR

PlayStation VR

 

 

この小説、1989年のものなのですが、今読んでも驚くほどゲームの描写とかリアルです。

 

そして!もう一つの魅力は、岡嶋二人の小説全部にいえるんですが、とにかく女性が魅力的!

この時代の小説って結構どれもそうなんですが、なんだか男女が自然に仲がよくて、快活なんですよね。

今のラノベとかもまあ僕は好きですが、今の若い人向けの小説に出てくる女の子は、簡単に言えば頭が悪くてビジュアルがエロいってことなんですが、岡嶋二人に出てくる女の子は、全然違います。頭いいですし、性格いいですし、一晩中飲みたいような、それでいてセクシー。

小説の中でも、ヒロインの女の子(この子もゲームのテストプレイヤーに選ばれたんですが)と、テストプレイ(謎の研究所で行われる)に行く時や帰るときに少しずつ話して仲良くなったり、そういう描写がほんとイイ!

そして、ゲームの描写はリアルなのに、そういう人間関係の描写の部分で、「ああ、昔の小説なんだな」って実感します。不思議ですが。

つまり、若い男女のコミュニケーションが、おそらく今とは違うんです80年代は。

言葉にしづらいですが、そういう部分で、「時代」を感じます。言葉遣いとかは別に変わりません。名前だって変わりません。たとえば平安時代とかは、名前からしてまず時代がかってますし言葉に至っては勉強しないと理解できませんが、80年代はあまり感じません。(若干ありますが)

若い男女のコミュニケーション、そこで、一番「時代」を感じました。

悲しいような興味深いような。

もちろんプロットは作り込まれてて最後まで一気に読み進められてむちゃくちゃ面白いです。

 

日本が明るくて元気があって、それでいていろいろなことに悩み始めた時代を象徴するような作家「岡嶋二人」の代表作「クラインの壺」。

 

まあ、読むべきでしょう。(読んでる人すごく多いでしょうけど) 

クラインの壷 (新潮文庫)

クラインの壷 (新潮文庫)